「第10回 CAC eCTDソリューションセミナー」開催レポートを掲載

「第10回 CAC eCTDソリューションセミナー」開催レポートを掲載
加速するeCTD「正本」申請!その品質向上、時間短縮、プロセス改善の最適化とは
~“eCTD編纂実績トップクラスのCAC”ならではの対応策をご提案します~

「第10回 CAC eCTDソリューションセミナー」の様子

CACでは、eCTDの作成支援サービスを製薬関連企業の皆様にご提供して6年になります。その間、さまざまな規制要件の変化や新しいツールの登場などに際し、最新情報の提供や事例の紹介、提案などをお届けしてきました。10回目となる本セミナーのメインテーマは、eCTDの「正本化」についてです。2009年4月に厚生労働省から事務連絡も出され、いま一番関心の集まっていることと言えます。

CACは、多くの製薬関連企業とのコンタクトを通じ、正本化について各社様の課題や取り組み姿勢があることを実感してきました。ここでは3つのポイントからお話をします。まず、正本化についての国内および海外の動向、次に、正本化に向けた準備段階での留意点とCACからの提言、最後に、その効率化や作業品質の向上のためのITツールとサービスの紹介です。皆様にはぜひ疑問や課題を我々にぶつけていただき、有意義な情報を持ち帰っていただければ幸いです。

日時 2009年4月16日(木)
会場 ベルサール八重洲
主催 株式会社シーエーシー

セッション内容

セッション1

今後を見据えて、今から準備を~CACの申請業務関連サービスのご紹介

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター

藤原 尚子

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター 藤原 尚子

欧米ではeCTDに積極的に取り組んで実用化していますが、日本ではまだ電子化に対応するための環境が立ち上がったばかりです。電子化対応を進めるには、ドキュメントの作成とその管理・保管について見直す視点が必要になります。CACの「ドキュメント管理プロセスデザイン構築支援サービス」は、R&D部門におけるドキュメント管理システム導入時のシステムデザインとビジネスプロセスの最適化を推進するサービスです。そして、「eCTD編纂プロセス構築支援サービス」は、ドキュメント管理から承認申請まで、より広範囲のプロセス構築の支援を行います。また、「SWIFTeS」(スウィフト)は、申請関連文書の作成作業を簡易化・効率化して品質を向上させるテンプレートツールです。

さらに、CACでは、紙文書の電子化を支援するツールとして、申請の規制要件に準拠した文書の作成・編纂・管理を行うISIToolBox、およびレポートパブリッシングと印刷出力を迅速に行うISIPublisherを提供しています。

eCTD申請にアウトソーシングサービスを利用すれば、自社内にリソースを抱えることなく規制要件の変化などにも柔軟に対応できるようになり、レビュー側として作業を客観的に評価しながら、本来業務に注力することができるというメリットがあります。アウトソーシングのコストが妥当かどうかは、年間の申請本数で決まってきます。本数が少ない場合や初めて電子申請に取り組む場合は、ぜひeCTDアウトソーシングサービスをご活用ください。

eCTD正本提出では、電子記録の定義と適切な運用が確実に行われていることが重要なポイントになります。CACでは、正本提出の際に考慮すべき事項に対応できているか評価すべく、eCTD正本提出に関するアセスメントサービスも開始する予定です。

セッション2

国内と海外におけるCTD/eCTD申請の状況、および最新動向について

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター 申請グループ
仲庭 栄恵子

Image Solutions, Inc Product Manager
Brian Costello

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター 申請グループ 仲庭 栄恵子Image Solutions, Inc Product Manager Brian Costello

平成20年度までの日本のeCTD申請状況を見ると、提出企業は25社程度で、平均16%の推移です。この数字はFDAでは31%、紙とのミックスでは56%となり、一概には比べられないものの、日本にはまだ電子化の余地がかなりあると言えるでしょう。PMDAは、2009年1月に公開用オフラインビューアをアップグレードしました。現時点で最新のeCTD作成要領通知(2008年8月に発布)では、ハイパーテキストリンク、追加フォルダの扱い、オペレーション属性の使い方など主な変更点が5つ加えられました。また、注目の医薬審発第899号の一部改定も近々発表される予定で、eCTD編纂システムを入れている場合は、定義されたモジュール1.13にどう対応するかが問題となり、CACでも対応を考えています。

eCTD作成の手引き第3版がリリースされた現在、日本では、eCTDに積極的な企業と、そうでない企業の二極化が見られるようです。積極的なのは海外(特に米国)を市場とする企業で、eCTD正本申請を考えています。また、米国ではすでにeCTDが標準になりつつあるため、日本でもeCTDをと考えている外資系企業もあります。CACでも、eINDへの取り組みを視野に入れています。一方、まだ積極的でない企業も、予算を鑑みつつ、eCTDを見据えた文書作成から考えていくとよいでしょう。現在、eCTDバージョン4.0への取り組みもされており、CACも今後この情報に注意していく予定です。

「EUと米国におけるeCTD受領状況についての最新報告」

Image Solutions, Inc

Product Manager Brian Costello

現在、米国では紙によるCTD申請の受付は、とても少なくなっています。EMEAでは、今でも紙での申請受付が主流ですが、電子申請への移行を進めている国も見られます。スイスやロシアなどがeCTDへと動いているほか、オーストラリアやラテンアメリカなどでもeCTDガイドラインが策定されました。

最近、米国のCDERでは申請関連ドキュメントの効率的なレビューを促進すべく組織再編成が行われました。その背景には、電子申請の大幅な本数増加があります。2006年5月31日までのeCTD提出数は、電子申請数285本、シーケンス数3,358本でしたが、2009年までには電子申請数は約5,000本、シーケンス数も53,000本を超えています。

一方、EUでは、2009年末までにHMAがeCTDによる電子申請を受付できるようにすることに同意しました。これに伴い、EU各国は紙での申請がベースとなっている現法律をeCTDに即した内容へ改訂を進めているところです。今後、製薬メーカーでは電子申請に備えて、文書レビューシステムもインフラに備えることが必要になるでしょう。

EMEAでは、2008年初頭にリリースされたNeeSガイダンスを施行しましたが、ファイル名のつけ方や目次の構成などに独自の要件が存在しています。これに対してベルギーでは独自のチェッカーを用意しており、オランダでも同様のアプローチを取っています。

EMEAは、2010年1月からeCTD申請をメインに据えることを公表しているので、製薬メーカー各社では、それまでにプロセスやシステムを見直したり準備を進める必要があります。しかし、EU加盟国の多くはまだ正式なeCTDガイダンスを発行していません。アイルランド、マルタ、スロバキア、スロベニア、ノルウェーなどは紙の申請提出が主流です。スウェーデンも同様ですが、2009年4月に電子提出に移行し始めました。EMEAでは、電子申請への移行推進に関する対応状況について、EU各国の当局に確認することが重要と思います。

ISI社は、これまで世界中で2,000以上のeCTD申請を支援してきました。日本の皆様のご相談にも、いつでもお応えできる用意がありますので、ぜひご利用ください。

セッション3

eCTD『正本』申請を見据えた品質向上と時間短縮、プロセス改善のご提案

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター 申請グループ
片山 奈津

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター BTOIT
中田 雅之

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター 申請グループ 片山 奈津株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター BTOIT 中田 雅之

CACでは2005年よりeCTD編纂に取り組み、これまでに50件以上のeCTD提出を支援してきました。企業の提出するリーフファイルの品質は年々向上しており、eCTDの審査環境も整ってきています。eCTDを作成すれば、高品質で検索可能な電子的資料を社内に導入することになり、また申請資料を電子媒体で提出した場合に紙の提出は不要になるなど、コスト削減、保管場所縮小、作業負荷軽減、文書再利用といったさまざまなメリットがあります。

eCTD正本提出に際しては、次のような点に注意が必要です。

  1. グラニュラリティやリーフファイルの内容などに関する品質の確保
  2. コンテンツ差替などによるスケジュールの遅れへの対応
  3. ER/ES対応ポリシーの確立
  4. ライフサイクルの管理時特有のリスクへの対応

こうした点を踏まえ、CACでは、eCTD正本申請支援に向けた取り組みをしています。まず、「eCTD正本Readinessアセスメントサービス」ではER/ESポリシー、および文書作成プロセス、リーフファイル、Rendition実施状況、申請スケジュールなどの点を確認したうえで、リスクを洗い出します。eCTD正本編纂支援サービスでは、サービスインを申請提出予定日の約3か月前として、全リーフファイルがファイナライズされてから2週間前後で編纂が完了できることを想定しています。

初めてのeCTD編纂の場合、まずは参考提出をお勧めしています。その中でライフサイクル管理を含めた編纂作業の作業感や問題点を把握していただいてから、正本提出にチャレンジされることが望ましいです。また、正本提出を検討する際は当局へ問い合わせをすることや、ER/ESに則したプロセスを定義すること、どのバージョンのファイルをどの申請で使用したかを記録することも大切なポイントです。

CACが申請関連業務の中で使用しているツールはISI社の「eCTDXPress」です。Webベースの柔軟なインタフェースを持ち、eCTDの作成・編纂、ライフサイクルの管理、およびレビューなどが可能で、DocumentumなどのDMSとも連携しています。現在、ICHの日米欧のほか、カナダの規制当局にも対応しており、今後はSharePointとの連携も予定しています。最新バージョンでは、日本向け申請ライフサイクルのリンク切れ等にも対応しており、申請作業の効率化を推進できると考えております。

プレセッション4

CTD/eCTD編纂の高品質・効率化をサポートするシステム・ツールの最新動向

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター

エグゼクティブコンサルタント 松井 一

株式会社シーエーシー 医薬BTOユニット 医薬BTO第二センター エグゼクティブコンサルタント 松井 一

紙の提出に比べ、電子申請では、PDFへの変換やリンクの設定など、そこに至る過程でさまざまな作業をしなければなりません。Word文書とPDFファイルの整合性の確認、アウトソーシングや共著を踏まえての品質確保、レビュー方法の統一なども、電子申請が増えるに従って頭の痛い問題となっています。

こうした問題の解決のため、いろいろなツールが出てきています。

PDF上のファイルまたはWordとPDFの整合性を確保するためのファイル比較ツール、レビューやコラボレーション用ツール、共著を行うツールなどです。このうち欧米でよく使われているものを紹介しましょう。ファイル比較ツール「DiffDoc」は、同一アプリのファイル同士しか比較できないので、Wordの修正履歴がきちんと取れていないときなどに使うと便利です。「WorkShare Professional」はドキュメント比較ツールとレビューツールの両方を備えていて、レビュー結果を反映させる機能もあります。「eReview」はWebベースのコラボレーションツールで、複数文書の同時オープンや文書を開きながらのWeb会議が可能です。「PleaseReview」もWeb上のコラボツールで、ライフサイエンスに特化しています。共著のサポート機能では、Wordのパラグラフ単位でオーサリングの権限をアサインできる同時編纂が可能です。

今後は、コラボレーション・コンテンツ再利用・メタデータ管理・XML化などがキーワードとなり、2012年以降に登場する予定の次世代eCTDへの対応が進められていくでしょう。

セッション4

文書の校正・レビューと電子化、およびCTD/eCTDの編纂・申請を効率的に実施するための各種ツールのご紹介
株式会社ジャストシステム

メディカルライティング業務の品質確保と工数の負担軽減のためのツールとして、校正支援ツールJust Right!、日本語変換システムATOK、それらを補完する辞書配信システムと用語管理データベースをご紹介します。Just Right!は、誤字脱字や表記のゆれ、指定されたルールに沿って書かれているかなどについて、広く文章全体をチェックします。日本語変換システムATOKでは、用語のルールを登録して文書の入力時にミスを防ぐことができます。また、Just Right!、ATOKとも、辞書配信システムを使ってルールを登録した辞書をグループで共有することが可能です。ジャストシステムは30年以上コンピュータと日本語をつなぐ部分の開発に携わっており、今後もその技術を使い、入力や校正の支援策を提供してまいります。

データデザイン株式会社

データデザインでは、eCTD準拠のPDFファイル作成支援ツールとして、自動ワークフローシステムOpenFlow、リンク作成支援ツールSpeedLinkerなどのツールを開発・販売しています。OpenFlowはeCTDの規格に完全準拠しており、WordなどOffice文書をPDF化して、それら複数のPDFファイルをマージし、目次・しおり・リンクの処理等を行い、最後にヘッダ・フッタやノンブルを付ける、という一連のプロセスを自動的に行います。これまで製薬関連だけで18社の稼動実績があり、ほとんどの場合、Documentumなどの文書管理DBシステムと連携して運用されています(全業種では100以上の稼働実績)。また、OpenFlowを解析エンジンとして使用し、文書の不備を分析して解決策を提供する「PDF変換テクニカルサポート」も好評です。

プラネットファーマソリューションズ株式会社

弊社のレンディションエンジンとリーフファイル品質チェックシステムを使った2つのサービスを紹介します。「レンディションサービス」では、レンディション作業をお客様に代わって行います。弊社のレンディションエンジンは、製薬会社の要求する仕様に基づき、各社のテンプレートで作成されたWord文書を解析して開発したもので、リンク枠のずれが少ないなど高いレンディション品質を誇り、さらにOfficeの不具合で処理が中断しても次のジョブを実行する機能も備えています。「リーフファイル品質チェックサービス」では、リーフファイルを解析して結果を報告します。リーフファイルのどこがeCTD仕様から逸脱しているか、その箇所を直接指摘することが可能です。リーフファイル品質チェックシステムは、スキャンPDF用に、余白領域と本文の境界線をリーフファイル上に直接描画するなど、目視での品質確認を効率化する機能も開発中です。

●このイベントレポートに記載の会社名および製品名などは、各社の商標または登録商標です。


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