医薬品のこれからの流通管理

2020年2月14日

イクメンパパのしろいキリン

 

みなさん、こんにちは。冬と言えばスノボ!のイクメンパパしろいキリンです。
・・・とはいえ年々体が重くなり、日頃の運動不足を痛感しています。

 

さて、今回は、医薬品の流通に関してお話しします。
新技術の発明により、さまざまな業界でビジネス環境の変化が起きておりますが、これは医薬品の流通においても同様です。
新技術がどう影響するのか、それにより医薬品の流通に新たな変化が訪れるのではないかと注目されています。

流通業界における新技術の活用

みなさんにとって「流通企業」といってすぐ思い浮かぶのは、ネットショッピングをしたときに商品を届けてくれるアノ大手企業ではないでしょうか。
倉庫内でロボットが商品を移動している光景は有名ですし、また、他社には少し出遅れていますが、自走式ロボットによる配達の実証実験も始まっているようです。

 

少し、物流寄りの話にはなりますが、海外に目を向けると、自走式ロボットによる配達はもはや珍しくなくなり、ドローンを利用する企業が増えているようです。
血液や医薬品を配送しているアメリカのスタートアップ企業などは顕著な例でしょう。

 

荷物を配送するドローンのイラスト

 

この企業はアフリカで2016年から既にサービスを開始していました。片道およそ数10kmの距離を、時速100km以上の猛スピードで、毎日100回以上飛ぶそうです。その機体は、私たちが想像する複数のプロペラがついた小型のドローンとは違い、いわゆる飛行機の形をしています。また、飛べば飛ぶほど人工知能が学習し、賢くなっていくことから、アフリカの医療現場において活躍しながらさらに精度を上げているようです。もともとアメリカのスタートアップ企業でしたが、アフリカで経験を積んだことでメジャーとなり最近では本国に逆輸入されようとしています。すでにアメリカ連邦航空局と協力して、導入検証をすすめているとの噂もあり、展開の速さにも驚きを隠せません。
このように、流通業界は、世界規模で技術革新と新たなチャレンジが繰り広げられている、熱い業界といえるでしょう。

 

日本の医薬品の流通に関して

では現在、日本における医薬品流通はどのように行われているのでしょうか。

 

日本にはGDP(Good Distribution Practice)という、医薬品が製造工場から出荷された後、患者さんに届くまでの流通・物流品質を保証するためのガイドラインが定められています。

 

このガイドラインは、輸送中の温度変化が医薬品の品質に影響することも想定し、輸送中でも一定温度が維持されているかどうかまで、しっかり管理するよう定めています。
流通トラックのコンテナ内の温度については、具体的な許容範囲があらかじめ決められており、季節による変動も考慮して細かく設定してあるようです。さらには、許容範囲内の温度を遵守しているかどうかをセンサーで計測し、記録を残す必要もあります。
万が一、温度が許容範囲から逸脱してしまった場合は、決められた手順に従って温度差・時間・回数等を連絡し、医薬品の安定性データ等を考慮した上で、その医薬品の取り扱いを決めることになります。

 

最近では再生医療など医療技術の進展に応じて、より高度な温度管理が求められるようになっています。例えば、患者から取得した生体組織を活用する際には「マイナス150度以下で輸送」することもあるようです。具体的には液体窒素の入った大きな魔法瓶のような輸送容器の中に、生体組織を格納して持ち運びます。この時に使われる超低温輸送容器の内部には、温度を計測・記録するセンサーが組み込まれ、輸送後に超低温が保たれていたことを確認できる仕組みになっています。このようなセンサーには、近年急速に発達したIoT(Internet of Things)技術が活用され、居ながらにして容器の状態がわかるようになっています。

 

ミルクタンクのイラスト
超低温輸送容器は、こんな形をしたタンクで、蓋の内側にセンサーが付いています。

日本の規制変化について

 

そうした技術革新が進む一方、それらの品質を担保する「規制」についてはどんな変化があるのでしょうか。 最近では薬機法の改正も決まり、国内においても流通品質の向上に向けてさらなる施策が進められています。
偽造医薬品が流通した事件についてはみなさんの記憶にも新しいと思いますが、品質意識の高い日本で、偽造品が流通したことに誰もが驚きました。この事件をうけ、トレーサビリティを確保するべく、原則2020年度末までに、医療用医薬品の販売包装単位及び元梱包装単位ごとにバーコードを表示することが義務付けられました。この対応期限が迫っているため、医薬品卸売業の各社では、急ピッチでの対応を余儀なくされている事でしょう。また、医療現場においても医薬品の取り違え事故防止に向け、バーコード等の活用が今後もっと進むのではないかと予測しています。

 

バーコードスキャンのイラスト

治験と流通のみらい

最後に、私たちが業務で多くかかわる「治験」の現場で、流通はどうなるのか考えたいと思います。
当然ながら、治験薬に対しては病院に納入された後でも厳格な管理が求められます。
治験薬は「①病院へ何個納入し、②被験者さまに何個渡し、③結果何個残った」といったように段階を追って全てを記録し、管理する必要があります。さらに、残った治験薬は治験依頼者が最後に回収することが、GCP(Good Clinical Practice)上でも定められています。こういった管理をより正確・効率化していくためにも、バーコード表示を始めとした医薬品流通のデジタル化はますます進んでいくでしょう。

 

デジタル化が進めば、服薬記録や服薬後のバイタルデータを自動記録することが一般化するかもしれませんし、治験薬の配送も病院ではなく個人へ直接配送する時代がくるかもしれません。
病院外で安全に実施できるバーチャル治験の環境が整えば、病院側の負担も減りますし、仕事や遠隔地で通院が難しい被験者さまの負担も減ることと思います。
また、バーチャル治験ができるということは、実際の医療行為もバーチャルでできるということにつながるかと思います。朝起きて体調が悪いなと思ったら、すぐにスマホで診察してもらって、医薬品がすぐに自宅に届く・・・もし旅行していたらその場所に届く・・・誰にも会わないので感染症も広がらない・・・こんな未来が来たら、素敵かもしれませんね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。次号もお楽しみに!

 

 

 

 

当社では、変化が加速する時代に対応していくために、アライアンスパートナーの拡大にも取り組んでおりますので、私達と共にチャレンジしてみたいと考えている企業様は是非お問い合わせください。

 

 

※記載されている情報は2020年2月時点のものです。


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