システム屋のトリセツ

※こちらのコラムは、本編とは違った目線・ゆるい表現等も使っております。ご了承ください。

 

2019年8月20日

IT系スペシャリスト ミント



こんにちは、最近燻製作りにハマっているIT系スペシャリストのミントです。
家中が煙臭くなりますが、サバの燻製は絶品と言わざるを得ず、なにものにもかえがたい一品です。これさえあればもう何もいらないです。いや、それはちょっと言い過ぎました。やっぱり色々欲しいです。

さて、システム導入ではシステム担当者との打合せが不可欠です。この打合せの内容がシステムの出来を左右すると言っても過言ではありません。
このコラムではベンダーのシステム担当者との打合せの席を舞台に繰り広げられる、技術者独特の言い回しやその言葉の裏にある真実、打合せの際に気をつけておくべきことをまとめてみました。

Scene 1:「デジタライゼーション」と「デジタル・トランスフォーメーション」

あなたの会社では新しくシステムを導入しようとしており、あなたはその担当者です。
上司からは「これからはデジタライゼーションだ。そしてAIなRPAでDXだよ。わかるよね。」とまるで呪文のような激を飛ばされています。


ある日の打合せの合間にベンダーシステム担当者に「よくわかっていないんですが、デジタライゼーションはDXなんですか?」と聞いてみたところ、システム担当者はちょっと興奮気味に長々と解説をはじめました。

・・・。

「なんで技術者の人の話はあんなに長くて専門的なのだろう。呪文のような3文字単語ばかり使ってくるし」と、気軽に聞いてしまったことを後悔しながら「あ、会議が始まりますね」とそそくさとその場を後にしました。
あなたは結局デジタライゼーションやDXがなにかわからないままになってしまいました。

 


興奮気味に話すシステム担当者のことはともかく、まずはそれぞれの定義を確認してみましょう。

デジタライゼーション(Digitalization)

デジタルテクノロジーを使って付加価値を高めて効率化を図る


デジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital transformation)

デジタルテクノロジーを使ってより良いものへと変革させる

DXは「デジタル・トランスフォーメーション」と呼ばれているものです。トランスフォーメーションをXで表現するのもいかがなものか・・と思いますが、英語圏ではTransがXに略されるらしいので甘んじて受け入れましょう。強敵と書いて「とも」と読むようなものです。きっと。

定義だけをみると一見似ていますが、テクノロジー使用で得られる成果が少し違います。
デジタライゼーションは「フィルムカメラ → デジタルカメラ」「ビデオテープ → DVD」のように既存の製品・技術をデジタルで置き換えるものです。
今話題の電子マネーやRPA、既存のビジネスプロセスの一部をそのままデジタル変換したような多くのシステム導入もこれに該当します。

一方、DXはトランスフォーメーション(改革)です。根底から覆すものと言ってもいいかもしれません。ビジネスプロセスの一部ではなくプロセスそのものを再構築することになりますので、現場レベルではなく、経営層レベルでの取り組みになる事が多いです。
DXは「このシステムを導入すればOK」というものではなく、様々なデジタルテクノロジーを組み合わせ、全く新しいプロセスを生み出した結果になります。
分かりやすく例えれば、「インターネットを使ってデータ共有やビデオ会議を実現し、在宅勤務に切り替え、従業員のライフワークバランスの向上に寄与した」といった感じです。


Scene 2:「技術的には可能です」のホントの意味

ある日の要件整理の打合せで「できれば実装してほしい要件」をベンダーシステム担当者に伝えたところ、こんな返答をされました。

「・・・技術的には可能です」

「可能」という言葉を聞いてホッとしたあなたですが、あらためてベンダーシステム担当者の顔色を見るとどうにも浮かない表情です。返答する際にもなにか妙な間があったのも気になります。
気になったあなたは「なにか問題があるのでしょうか?」と聞いてみたところ、「確かに技術的には可能なんですが・・・」と前置きした上でなんだか高度な話をはじめました。最後まで聞いたものの、問題点が不明なまま終わってしまいました。「面倒くさいからやりたくない」ってことなんでしょうか?

 


技術職の人がこのように答える場合は概ね以下のような意味を含んでいます。

「可能か不可能かで言われるとできなくはないが、普通はシステム化しないケースが多い。やったとしても対応は困難で時間や金額がかかり、その機能に見合うとは思えないので考え直してはどうか?」

決して面倒くさいからではなく、それなりの時間とお金がかかるということを伝えたいのですが、いかんせん技術職の人はそのあたりの表現が不得手な人が多いのが悩ましいところです。

よほどのことでない限り技術的にできないことはあまりありません。どこかで見たことがあるものはすでに実現されているものだからです。ただし、それが簡単に実現できるかどうかは別問題です。
求めている要件の優先度や重要度、コストに見合った機能かどうかを検討することがとても大切です。システム担当者と要件の目的・代替手段の検討を重ねていけば解決に繋がるかもしれません。


Scene 3:「フラグ」と「区分」の使い方

あなたが新しいシステムで管理するデータ項目を確認していたところ、「XXXフラグ」や「XXX区分」という項目があちこちにあるのに気づきました。
システム担当者は「これはXXXフラグで管理しましょう」とか「こっちはXXX区分でいいですね」とか言ってくるのですが、正直使い分けのルールがわかりません。「フラグが立った!」って言いたいだけなんじゃないかと勘ぐったりもします。アルプスの少女じゃあるまいし・・・。
あと、そのシステム担当者の言い方が「フラッグゥ」だったので余計に気になっただけかもしれませんが。

 


その台詞は実は少女ではなくヤギ飼いの少年が言ったモノですが、まぁ、それはともかく・・・
フラグと区分は似たような項目に使用されますが、実は明確な使い分けが存在します。

フラグはOnかOffか、区分は複数の選択肢

フラグは名前の通り旗を表しています。ある条件が成立した場合に目印として旗が立てられます。
フラグが立っていないときに別の意味を持たせるべきではない項目です。
一方区分はデータの分類を表す際に使用されます。どれか一つだけ設定される場合もあれば、複数設定される場合もあります。
たまに「性別フラグ」と定義されているものがありますが、性別はOnかOffで定義するものではないので本来であれば「性別区分」とかにすべきかもしれません。

話は少し脱線しますが、システムで性別を扱うときの国際規格があります(ISO5218)。その規格では性別は以下のように定義されています。

 

0 = not known(不明)
1 = male(男性)
2 = female(女性)
9 = not applicable(適用不能)

 

これ以外にも様々な規格があるのでデータ定義の際に参考にされてもいいかもしれませんね。


 

この手の話題は、Scene4、Scene5といくらでも続く話題なのですが、今回はこの辺で終わりにします。
一度、ベンダーのシステム担当や技術者とこれらの話をしてみてください。一気に距離が縮まり、業務がスムーズに進むかもしれませんよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。次回のトリセツも(もしあれば)ご期待ください!

 

 

※記載されている情報は2019年8月時点のものです。


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