CDISCトレンドレビュー 第六号

なかなか秋の気配が感じられず、暑い日が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さてCACクロアからお送りしているメルマガ「CDISCトレンドレビュー」も第六号となりました。

前回は「Gateway提出に向けた部署間の連携」を取り上げましたが、今回は「Policy0070」にフォーカスしてお伝えします。
さらに臨床試験の被験者データ共有化の注意点にも触れていますので、ぜひご一読ください。

「Policy0070」とは

製薬会社は新薬開発の過程における臨床試験被験者データを収集し保管しています。従来、これらの臨床試験データのほとんどが、規制当局に対する承認申請のために利用され、臨床試験には関係ない研究機関と共有するということはほとんどありませんでした。

しかし2013年の欧州製薬団体連合会(EFPIA)や、米国研究製薬工業協会(PhRMA)が「臨床(治験)データ共有の原則」を発表したことで、臨床試験データの2次利用による研究活動が開始されました。

それを受けて、2014年にClinical Trial Data Sharing (CTDS:個別被験者データを共有する取り組み)に関するポリシー「Policy on publication of clinical data for medicinal products for human use :Policy 0070」(通称Policy0070)が公開されました。これは臨床試験情報の登録や臨床試験論文の公開などに代表される「臨床試験の透明化」をさらに進めるべきという考えに基づいており、革新的な新薬の効率的な開発を奨励するものです。

CTDSの大きな目的として、薬の審査システムを透明化し、患者さんに薬をより早く届けるということがありますが、そのためにも臨床試験の透明性を確保しなければなりません。臨床試験の被験者レベルのデータを共有化するということは、誰がどのような試験データを使い、どんな研究をしているかということも確認できるということです。

今までは個々の製薬会社だけが保持していたデータが共有化され、より臨床試験の透明性が確保されることになります。

こうした臨床試験の被験者のデータ共有はヨーロッパにおいて急速に拡大しています。この背景には、例えば選択的セロトニン再取り込み阻害薬など、過去の臨床試験の透明性が問題視される出来事が発生したからです。

このような出来事では、その後研究機関や市民団体から規制当局または製薬会社に対して情報公開請求がされる、そして訴訟にまで発展するケースがありました。その結果として、欧米では臨床試験データの透明化確保が迅速に進められることになったわけです。

被験者データ共有化の注意点

臨床試験データは個人のデータでもあり、非常にセンシティブな扱いが必要になります。そのため、臨床試験データを共有する場合は、個人が特定されないように匿名化することが重要になってきます。

例えばある病院の臨床試験データがID番号で管理されていたとしても、別の病院では個人を特定できません。しかし当該病院に勤務する方なら、ID番号から個人が特定可能です。そこでその部分を変換して自動的に別のIDにするといった工夫が必要になります。

また、匿名化にあたっては、加工が不十分で元の情報が推測できてしまっては意味がありませんし、逆に情報を削除し過ぎると有効なデータが得られないということになりかねませんので、注意が必要です。

日本においても、情報公開法に基づき臨床試験データ(インディビジュアルデータ)を申請する場合も想定されますので、こうした匿名化の技術・ノウハウは今後取り組むべきテーマになるでしょう。

CACクロアの取り組み

臨床試験データ提出が義務化され、そのデータが公開されるようになると、今後ますますデータを生成する部分では知見やノウハウが必要になります。CACクロアでは、協業を行っている海外の会社とともに、欧州の臨床試験登録データベースにデータをアップロードするサービスを行っています。

これは臨床試験の被験者を匿名化するだけでなく、どんな試験を行い、どんな結果になったのか(サマリー情報なども含む)ということまでホスティングするサービスになっています。

臨床試験データの作成方法や活用方法についてのご相談・ご要望があれば、ぜひ一度、お問い合わせください。

ITを活用し、医薬品開発の業務支援(CRO)に長く携わってきたCACクロアの知見とノウハウをご提供いたします。

関連サービス

お問い合わせ

CDISCトレンドレビューは、製薬会社さまを対象に配信しているメールマガジンです。
同業他社の方への配信はお断りさせていただく場合がございます。

 


TOP