CDISCトレンドレビュー 第一号【2017年10月配信】

第一号となる今回のテーマは「CDISC標準の概要」です。なぜ今CDISCが話題となっているのか、CDISCのメリットやデメリットに関してお伝えします。

CDISC標準の概要

CDISCとCDISC標準

「CDISC」とは、Clinical Data Interchange Standards Consortiumの頭文字を取った略称です。臨床研究データとメタデータの電子的な取得、交換、申請、アーカイブ化をサポートするための国際的な標準を確立する事を目的とした非営利団体(NPO)で、ここで定められた規格を「CDISC標準」と呼んでいます。

 

このCDISC標準を使用する事で情報システム間の連携が容易となり、プラットフォームに依存しないグローバルレベルのデータ標準が実現するのです。

CDISC標準で定められている事

CDISCでは、以下のような基準を定めています。

 

試験の計画段階では、臨床試験計画書であるPRM(*1)と症例報告書で使用する変数の規定であるCDASH(*2)。データ収集では、臨床試験データモデルであるSDTM(*3)、非臨床試験データモデルであるSEND(*4)。統計解析には、統計解析データモデルであるADaM(*5)が定められています。

 

データ転送についても、XMLに基づくコンテンツとフォーマット標準のODM(*6)、臨床検査会社間のデータ転送のためのXMLに基づく検査データモデルLAB(*7)が定められています。

*1 PRM:Protocol Representation Model
*2 CDASH:Clinical Data Acquisition Standards Harmonization
*3 SDTM:Study Data Tabulation Model
*4 SEND:Standard for Exchange of Nonclinical Data
*5 ADaM:Analysis Dataset Model
*6 ODM:Operational Data Model
*7 LAB:Laboratory Data Model

なぜ今、CDISC標準が必要なのか

なぜ今、CDISC標準への対応を急がなければならないのでしょうか?

 

もっとも大きな理由は、PMDAへの新医薬品の承認申請において、CDISC標準での臨床試験データ提出が義務付けられた事です。2016年10月1日より受付が始まっており、2020年4月1日以降は、
CDISC標準による電子データでないと新薬承認申請を受け付けられなくなります。

 

加えて、将来的には非臨床試験や製造販売後調査などのデータも、CDISC標準での収集や提出を求められる可能性が高いと考えられます。FDAでは既に、2016年12月17日以降に開始された一部の非臨床試験を含む試験についても臨床試験データと同様に、CDISC標準に準拠した電子データの提出が義務化されています。

 

これらにより、規制当局はより迅速で正確な申請資料のレビューが可能となり、審査の効率化と高度化、迅速化につながる事が期待されています。

CDISC標準導入のメリットとデメリット

しかし、製薬企業がCDISC標準を導入する理由はそれだけでしょうか?

 

CDISC標準を採用する事によるユーザー側のメリットは少なくありません。これまでにお話したようにCDISC標準では、臨床試験の計画段階からデータ収集、統計解析、データ転送までがつながる形で標準化されます。また、使われる用語もコントロールドターミノロジー(Controlled Terminology)と呼ばれる統制用語とコードリストが提供されているので、異なるフェーズにある試験や外部データとの幅広いデータ連携が可能です。

 

この他にも、次のようなメリットがあります。

  • データ形式などについて議論する必要がなくなるので、意志決定が簡略化される
  • 標準に準拠している限り、さまざまな技術やツールの選択や使用が可能になる
  • 情報が電子的なウェアハウスに蓄積されデータの統合が可能となり、さまざまな目的での再利用ができる
    • つまり、CDISC標準を採用する事で、新薬承認申請に関わる工数やコスト削減に加え、データの活用による精度の高い有効性や安全性の予測、モデル&シミュレーションモデルの構築、適切な用量設定などが可能となり、医薬品開発の成功率が上昇するのです。

       

      しかし、導入するためにはいくつかの課題があります。

    • 従来のプロセスに加えてCDISCのプロセスが追加されるので、導入当初は業務量が増大します。また、課題として以下をあげることができます。
    • PMDA(日本)とFDA(米国)で規制要件が異なる。
    • 細かい定義はユーザー側で決める必要がある。
    • 企画やDM、解析など、これまでは別で動いていた部門間の密な連携が必要となる。
    • 業務ごとに担当者のトレーニングが必要
    • 上記の他にも、クリアしなくてはならない課題が多く存在する事も事実です。導入をできるだけスムーズに行うならば、CDISCのエキスパートが必要不可欠です。

      今後の配信コンテンツ

      次回のメルマガでは、「PMDA規制要件の概要とCDISCに関するCACクロアの取り組み」についてご紹介いたします。さらに今後は、「PMDA規制要件とFDA規制要件の違い」、「データのバリデーションについて」、「最新CDISC動向とCDISCに関するCACクロアの取り組みの具体例」など、幅広い内容についてお届けしていく予定です。

       

      今後も様々な情報をご提供させていただき、少しでもみなさまのお役に立てればと思いますので、今後とも「CDISCトレンドレビュー」をよろしくお願いいたします。

      CACクロアからのお知らせ

      第38回日本臨床薬理学会学術総会ポスター発表のお知らせ(学術総会は終了いたしました。)

      2017年12月7日~9日に横浜にて行われる日本臨床薬理学会学術総会にて、「電子データ作成業務の品質向上・効率化におけるSDTM仕様設計支援ツールによる有用性検証」という内容でポスター発表を実施いたします。
      当日は企業展示も実施しておりますので、ぜひお立ち寄りください。
      http://www2.convention.co.jp/38jscpt/


      関連サービス

      お問い合わせ

      CDISCトレンドレビューは、製薬会社さまを対象に配信しているメールマガジンです。
      同業他社の方への配信はお断りさせていただく場合がございます。

       


TOP